新型コロナで生協の会員増加ペースが倍増、今こそ新サービスを!

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日本生活協同組合連合会公式サイトより

生協躍進、会員急増 新型コロナで宅配需要拡大

新型コロナウイルスの感染拡大で宅配が注目される中、食料品や日用雑貨が自宅に届く生活協同組合(生協)が躍進している。会員数は急増し、2月以降10月までの供給高(売上高)は前年同月比プラスで推移。全国の約300の生協を組合員とする日本生活協同組合連合会の藤井喜継専務理事に現状と今後について聞いた。

―新型コロナ禍の中、生協の動向は。

「巣ごもり生活になり、多くの方に宅配が支持された。過去に生協を利用していた方の組合員復活に加えて、新規加入も多い。ここ10年の加入数は年間30万程度だったが、4月の緊急事態宣言で急激に伸び、3―8月は56万2000で通常の倍以上のペースだ」

「これまでは生協職員がイベントなどで加入を促してきたが、コロナ禍でできなくなった。代わりに20代から40代を中心にインターネット加入が増加し、若い世代の利用が増えたのが特徴だ。スマートフォンから注文できるようシステムを強化し、共働き家庭による個人宅配の利用が目立つ」

―売上高は4―9月が前年同期比15・7%増、10月も増えました。

「一斉休校などで昼食を作るため、宅配、店舗ともに米、お好み焼き用の粉、パスタ、冷凍食品が売れた。今もパスタや冷凍食品は好調で、花や土、園芸用品、子ども向け紙芝居セットなど日用雑貨も売れている」

―注文の増加で品薄状態もありました。今後どう対応しますか。

「生協によっては物流センターのキャパ(能力)を超え、加入を待っていただく場面もあった。このためプライベートブランド(PB)のコープブランドのマスクや除菌用品、パスタや粉ものなど売れ筋商品はメーカーと協力して在庫を積み増した。新たな物流センター建設は大型投資となり容易でないが、各生協がラインの増強や効率化に向けた手直しを実施している」

―生協が強みの宅配はスーパーマーケットなど他の小売業も力を入れています。どう差異化しますか。

「競争環境激化は認識しているが、毎週決まった時間に、同じ人が届けるのは『あなたの担当』ということになり、利用者の安心につながる。毎週届けるので、信頼を損なわないために良品質品を届けることになる。あえて競合に比べて弱い点を挙げるなら『欲しい時にすぐ来ない』だろう。ここは今後の課題だ。デジタル技術を駆使して、あるメニューをクリックすれば必要な材料が提案され注文できる新サービスの提供、配達サービスの向上、課題の解決を進めていく」

日本生活協同組合連合会専務理事・藤井喜継氏

※取材はオンラインで実施

【記者の目/地域と連携、生協の底力に期待】

自治体と「地域見守り協定」を結び、配送担当職員が配達先の高齢者の安否を確認したり、認知症サポーターに認定の職員が店内で迷った高齢者に気付き家族に連絡したという事例は、生協ならではであり競合に勝つ強みの一つでもある。元々PBの質には定評があり、さまざまな事業、サービスを展開する生協の底力を改めて見てみたい。(編集委員・丸山美和)

日刊工業新聞2020年11月30日

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