【JIMTOF開催中】金属積層造形が大きく速く変わる!オンラインで確かめよう

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大型造形に対応する指向性エネルギー堆積法方式の金属AM機(三菱重工工作機械)

工作機械メーカーが造形サイズの大型化や生産性を追求した金属積層造形(AM)の提案に力を入れている。金属AMは試作品など数量が限られる物の製造に加え、今後は量産段階での利用拡大が見込まれている。各社は独自技術を盛り込んだ機種を訴求し、市場を深耕する。(特別取材班)

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大型品に対応する造形方式として注目されるのが、材料とレーザーを同時に噴射・照射して、材料を溶融・凝固させて積層する指向性エネルギー堆積法(DED)だ。大型部品造形への対応のほか、造形速度も速く、造形中に材料を切り替えられる点も特徴だ。

三菱重工工作機械(滋賀県栗東市)は、DED方式の金属AM機「LAMDA(ラムダ)シリーズ」を展開している。酸化を嫌う金属を大気中でも造形可能とする「ローカルシールドノズル」、溶融状態をカメラで観察して最適な造形の維持・制御につなげる「モニタリングフィードバック」、人工知能(AI)による異常検知の各種独自機能の搭載などにより、最大2・5メートルまでの大型部品を高精度に造形できる。「大型加工機と組み合わせることで、より大きいサイズも対応可能」(二井谷春彦取締役)だ。

三菱電機もDED方式の金属AM機を、日本国際工作機械見本市(JIMTOF)のオンライン版「JIMTOF2020オンライン」に参考出展している。

レーザー照射部分に金属ワイヤを直接供給して造形する形式で「当社のレーザーとワイヤ放電加工を融合した技術」(清水則之執行役員)。高品質の高速造形に加え、独自の点造形技術による形状精度向上と酸化抑制を実現し、既製部品への付加造形と肉盛補修に特に有効という。

DED方式に加え、敷き詰めた粉末材料をレーザーで溶融して造形するパウダーベッド方式の機種もそろえるDMG森精機。パウダーベッド方式の「レーザーテック30デュアルSLM」は、出力600ワット、最大積層速度が毎時90立方センチメートルのレーザー照射装置を2台搭載し、積層速度を従来比80%速められるほか、緻密な積層造形を実現する。フィルターシステムは3000時間以上交換不要のため、長時間の積層造形に対応する。

松浦機械製作所(福井市)は切削加工と金属AMを1台にした「LUMEX(ルーメックス)」を展開。金型など向けで複雑な冷却水管も容易に作れる。10月には硬度を一段高めた新材料「マツウラハードマルエージング」を発売。ダイカスト金型やスライドコア部品への適用を期待する。

ソディックも切削加工が可能な金属AM機を展開しており、高速造形技術を強く打ち出している。レーザーによる金属粉末溶融の阻害要因となるヒューム(金属ガス)の処理機能改善と新たな造形条件の開発により、従来と同等の品質を維持しつつ、造形速度を従来機種比4倍に高めた。

金属AMの活用は海外企業が先行しており、日本勢は遅れているのが現状だ。海外の装置メーカーは市場規模などを背景に投資規模も大きく、日本勢は「技術的に後れを取っている」(二井谷三菱重工工機取締役)。装置メーカーとユーザーの双方にとって、競争力を維持していく上で用途の確立と普及がカギとなりそうだ。


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日刊工業新聞2020年11月19日

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