青学が“超高密度”チップレスRFIDを開発!小型&低価格化へ

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青山学院大学環境電磁工学研究所の橋本修所長(理工学部教授)の研究室は、超高密度化したチップレスの無線識別(RFID)タグを設計試作した。銅板に微小なスリットを入れ、電波を当てると銅材は反射せずスリット部は反射する特性を応用。周波数ごとに1ビットの信号として捉える。小型化と低価格化が見込める。連携する企業を募り商品化や大容量化を進める予定という。

一般的なタグ読み取りに使う超広帯域無線(UWB)ハイバンド帯をタグに当て信号を一瞬で読み取る。UWBの7・25ギガヘルツ(ギガは10億)から10・25ギガヘルツの帯域を10に区切り、区切られた帯域ごとに電波が反射される、されないという現象が起こるようスリットの形状などを調整した。ある周波数帯域一区切りで、反射があると1、反射がないと0という形で情報を認識する。

橋本教授によると、電磁波シミュレーション技術により最適なスリット幅や長さ、間隔を見いだし超小型化が可能になった。今回のタグ同様に再書き込みができないチップレスタイプのタグとの比較で、現状の最小のタグより面積が約5分の1になっている。

試作では長さが13ミリメートル、幅5・2ミリメートルで10ビットのデータを書き込んだ。その検証では、UWB帯域の電波をタグに当てて反射を測定したところ、周波数別に10の反射ピークを確認し、狙い通りに10ビットの情報を読み取れることを実証したという。

20ビットのデータ量もシミュレーションした。20ビットあれば、商品の名称や製造日など最低限の情報を記録可能。電波で情報を読み取れるRFIDタグは、1枚3円程度と高価な点が普及への妨げとなっているが、「紙の材料に導電性インクを印刷してタグを作れば、3円以下にできると思われる」と、橋本教授は低コスト化に期待する。

日刊工業新聞2020年11月18日

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