加熱するだけで樹脂が自己修復⁉ 東工大ら研究グループの開発した技術がスゴい

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車・航空機など長期使用想定

東京工業大学とADEKAの研究グループは、加熱するだけで自己修復する機能を樹脂材料に持たせられる技術を開発した。熱で切れたりつながったりする特殊な結合を持つ化合物を作製。同化合物を樹脂材料に組み込むことで、作製した樹脂を切ったり傷つけたりしても、加熱すると再び元に戻せることを確認できた。自動車や航空機、インフラなどの分野で長期の使用を想定した樹脂材料への利用が期待される。

開発が進めば、樹脂メーカーやミキシングメーカーに向け、化合物の販売を視野に入れる。研究グループは、熱で簡単に結合部分が開き再び結合することが知られている化学的な構造を利用した架橋剤を開発した。同架橋剤をアクリル系樹脂に組み込んだシートを作製しシートの中央部を切断。切断面を張り合わせ、実験用恒温槽に置き120度Cで一晩加熱したところ、切断面が一体化することを確認した。さらに引っ張り強度を試験したところ、元の強度の85%まで回復していることが分かった。

さらに同様の樹脂材料をガラス板に塗布した後、鉛筆で傷をつけ120度Cで加熱すると、一晩で材料につけた傷が修復することも分かった。近年、材料についた傷を自発的、または簡単な処理で修復させる自己修復材料が注目されている。

成果は高分子学会が主催するポリマー材料フォーラムで27日にオンライン発表される。

日刊工業新聞2020年11月17日

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