参天製薬が自社点眼薬の7割を生産する能登工場はなぜ強い

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医療用・一般用眼科薬シェアが国内トップクラスの参天製薬。自社の点眼薬の年間生産量の約70%を製造するのが、能登工場(石川県宝達志水町)だ。1985年に完成し、複数の増築を経て三つの製造棟で構成する。生産本部を統括する木村章男常務執行役員は「先端設備を導入し、医薬品製造品質管理基準(GMP)にのっとった無菌製剤に取り組んできた」と説く。

能登工場では生産性向上や高品質を実現するための改善の手を緩めない。「生産量も品質もダントツの工場にする」(木村常務執行役員)。設備面では早い時期から自動搬送システムを導入・活用してきた。各製造工程で品質を調べる自動検査装置は自社開発した。一方、オペレーターや管理者が改善に向けた知恵を絞る。

人を中心に考えるという価値観を工場内で共有し、約360人の従業員に浸透させる。これまでは経験則に頼っていたが数年前から各工程の課題を明確化し、改善策を提案する活動を始めた。楽しく造る意味を込めて「RAKZO」活動と名付けた。稼働率向上やコスト低減のための課題をグループで分析し、改善目標を設定する。グループ各人は成果や提案内容を年2回発表する。上司とのコミュニケーションを活発化しながら改善サイクルを生み出す。

時代の潮流に工場も柔軟に対応しなければならない。「革新技術が生まれれば、オペレーターの仕事だけではなく監督者の役割も変化する」(同)と、今後を見据える。

「世界で困っている患者にソリューションを提供する」を実現するには、自律した個人が改善活動を続けることが欠かせない。そうした活動を後押しできる環境整備を管理者が担う。これにより「経営・顧客視点で変革をリードし、存在感の際立つ工場にしたい」(同)と意気込む。(大阪・中野恵美子)

能登工場は自社製点眼薬の年間生産量の約70%を製造する
【工場データ】

能登工場の敷地面積は6万6000平方メートル。「クラビット」「ヒアレイン」といった医療用眼科薬、「サンテFX」などの一般用医薬品(OTC)を手がける。2019年度の点眼薬生産量は約3億2000万本。

日刊工業新聞2020年11月17日

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