血糖値に相関するグルコース濃度を5分ごとに測定+確認できるアプリ、利用者の幅広がる
IoT(モノのインターネット)機器を活用し、糖尿病患者の健康を守る―。日本メドトロニック(東京都港区、宇佐美英司代表取締役、03・6774・4611)は、血糖値と相関する皮下グルコース濃度を連続的に測定をすることで、糖尿病患者の血糖状況を把握する持続グルコースモニタリング(CGM)機器「ガーディアン・コネクト」を手がける。日本では保険適用となった2018年12月から展開する。
体に装着したセンサーでグルコース濃度を測定し、スマートフォンのアプリケーション(応用ソフト)上で確認できる。グルコース濃度の急激な変化が予測される場合はアラートで通知する。
これまで糖尿病患者は1日3―4回、自分で採血する「血糖自己測定(SMBG)」で血糖値を把握してきた。しかし測定時のデータしか得られないため、血糖の変動を把握することが難しかった。
同製品は皮下グルコース濃度をセンサーで5分ごとに測定するため、インスリン治療の血糖コントロールに貢献できる。SMBGでは気づきにくかった高値や低値の発見にも役立つ。体に装着するトランスミッターとスマホは近距離無線通信「ブルートゥース」で接続。睡眠や入浴、自動車の運転時でも自動的に測定する。
医療従事者や家族とクラウドを通じて測定データを共有でき、パソコンやスマホからアクセス可能。異常時にはショートメッセージサービスで知らせる。医師とデータ共有することで「オンライン診療でもデータに基づいた診察ができる」(ダイアビーティス事業部の岡光代事業部長)としている。
従来、同製品は血糖値を下げるインスリンが分泌できなくなり体に異常をきたす1型糖尿病患者しか保険適用が認められていなかった。この保険適用が4月の診療報酬改定で、血糖コントロールが困難な一部の2型糖尿病患者にも認められた。岡事業部長は「今後、より多くの人に使ってもらいたい」と期待を込める。(石川雅基)