女性社員が9割の明治安田、“やる気”を引き出すその仕組みとは?

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全体の9割を占める女性社員が活躍できるための支援策の推進に力を入れる

多様なキャリア形成後押し

明治安田生命保険は働き方改革の一環で、挑戦意欲の高い女性の活躍推進を後押ししている。同社は生保レディーと呼ばれる3万人超の営業職員を含めると女性社員が社員全体の約9割を占める。女性が生き生きと働ける環境づくりは成長の原動力であり必要不可欠だ。そこでキャリア形成支援やワークライフバランスといった制度面の工夫に取り組んでいる。(増重直樹)

2015年4月に始めた「L―NEXT」は意欲と能力がある女性社員のキャリア形成を支援する制度だ。3年以内に主要職制への登用が期待される原則課長級を対象とした「L1」は執行役員とのメンタリングなどがメニューにあり、早期から経営目線を養える。参加条件に本人と上司が思い描く職制が一致することがあり厳格だが、20年度は19年度の約5倍の96人が登録され、次世代を担う層が確実に厚みを増す。

20年度からL1の経験者を対象とする新コース「L―NEXTα」を設けた。ヤマトホールディングスとパナソニックとの異業種3社による共同研修会を実施。社風や業務が異なる社員同士の交流で多様な考えを吸収する狙いがある。大学教授ら各界で活躍する著名人を招いた講習会も順次開く方針だ。

こうした取り組みを明治安田生命が行う背景には同社が目指す姿「生き生きと働きがいを持って働ける職場の実現」がある。そのため“やる気”が高い人材が自己研さんできる教育制度を惜しみなく導入している。その一環の一つであるキャリアチャレンジ制度(研修型)は、人事異動を伴わず3日間の短期集中型で希望する部署の業務を体験できる。

女性活躍推進に取り組む理由などを研修参加者に説明する淡路室長

法人サービス部に所属する入社4年目の大塚ともはさんは、企画部のカリキュラムに参加。企画部は会社全体の指針となる経営計画を策定する。大塚さんは「研修を通じて会社全体を俯瞰(ふかん)できる視野を身に付けたかった」と参加の動機を語る。

同社ではコロナ禍に伴い中期経営計画の開始を1年延期した。20年度はアフターフォローに重点を置いた単年度の経営計画を実行している。大塚さんは「研修後は法人サービス部がお客さまのために担うべき役割を周囲にフィードバックできれば」と意気込む。

一連の施策を通じ、同社管理職に占める女性の割合は20年4月に30%を超えた。12年4月時点で3・8%だったことを踏まえると、8年間で女性の管理職登用が飛躍的に進んだことが分かる。淡路なな恵人事部ダイバーシティ推進室長は「男女の役割意識が薄くなり、多様性を受容することが当たり前になってきている」とし、同社が掲げる「ダイバーシティ&インクルージョン」の実現に手応えを感じている。

社員の働きがい向上は働き方改革の中でも重要な要素の一つに位置付けられる。浅野芳一執行役員人事部長は「入社コースや年齢に関係なく頑張る人を応援したい」とエールを送る。

“チーム明治安田”として誰もが能力を最大限発揮できる職場づくりを推進する。

日刊工業新聞2020年10月28日

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