脱ハンコ・RPA導入の次は人材拡充、田辺三菱製薬のデジタル化が止まらない
田辺三菱製薬は、業務の生産性向上を目的とした社内のデジタル人材を2025年までに現状比3・3倍の1000人まで増やす。これまでRPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)を活用し、多部門の業務効率化を実践してきた。順次、ビジネスインテリジェンス(BI、意思決定支援)ツールを用いた業務改善にも着手し、全社をあげてデジタルリテラシー(デジタル情報の活用能力)を向上する。
田辺三菱製薬グループのデジタル推進を担う子会社である田辺三菱製薬プロビジョン(大阪市淀川区)が中心となってデジタル人材を育成する。業務改善に資するデジタルツールを先行して導入し、一定の成果が見込めれば田辺三菱グループに規模を拡大して適用する。総務や人事のほか、営業や研究など幅広い部門の人材にすそ野を広げ、デジタルツールの活用方法などを研修する。
すでに脱ハンコ、RPA、人工知能(AI)を用いる光学式文字読み取り装置(OCR)の活用を始めた。RPAは、導入時点の18年7月から21年7月までに計4万時間の作業時間削減を狙う。デジタル人材が部門横断的にネットワークを構築し、業務の課題を機動的に解決できる体制をつくる。
今後は約3カ月ごとに新たなデジタルツールを導入する。まずBIを用いて日々の業務の流れを解析し、ボトルネックの解消や作業のさらなる効率化につなげる。
またAIチャットボットを用いて、問い合わせ対応などの定型業務を自動化するなど、各人が付加価値の高い業務に集中できる環境を整える。
日刊工業新聞2020年10月27日