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AIは業務支援から経営支援へ。アクセンチュアが市場リードを目論む

AIは業務支援から経営支援へ。アクセンチュアが市場リードを目論む

アクセンチュアフェイスブックページより

アクセンチュア(東京都港区、江川昌史社長、03・3588・3000)は、多様な人工知能(AI)を組み合わせ、適材適所で最適化する「AIハブ・プラットフォーム」と呼ぶ共通基盤を通して、企業活動や経営判断を支援する。AIの力を使って将来をシミュレーションして可視化する「AIパワード・マネジメントコックピット」など、新しいソリューション群を21日から順次投入する。「企業向けAIプラットフォーマー」として先駆け、市場をリードする戦略だ。(取材=編集委員・斉藤実)

AIハブ・プラットフォームは、オーケストラの指揮者や編曲家のように、さまざまなAIエンジンを統率する「フレームワーク(枠組み)」と、自然言語対話や音声認識、画像解析などの「AIアダプター群」で構成。用途に投じて、適材適所で配置する。すべての情報がAIハブを経由することで、特定のAIクラウドサービスに依存しない形で学習データやノウハウを蓄積し、AIソリューションの置き換えも柔軟にできるようにする。

目玉となるマネジメントコックピットは、客観的な予測や推奨シナリオをベースに、AIが計画の修正などを提案し、修正後に重要業績評価指標(KPI)にどう影響するかをシミュレーションできる。

具体的には、AIが経営や現場に適切なアラートを提示し、推奨する戦略シナリオを提示する。経営者がシナリオを選択すると、AIがシミュレーション結果を提示して意思決定をサポート。意思決定後は基幹系にデータ連動し、早期の経営判断につなげる。

オンライン会見でAIハブ・プラットフォームを説明する保科氏

このほか、AIパワードシリーズとして、「ナレッジシェアリング」「コンシェルジュ」「タレントイノベーション」「アセットメンテナンス」なども投入する。

ナレッジシェアリングは複雑な情報検索の際に、AIが検索者の意図(文脈)を理解し、企業内に蓄積された知見から一手に横断検索できるようにする。組織内での知の伝承に役立つ。

タレントイノベーションは、データを基に、従業員体験(EX)を向上させるきっかけ(MOT)を分析。MOTを意図的に作ることで、一人ひとりのEXを向上させ、経営やビジネスが求める人材の確保や維持につなげる。

21日会見したアクセンチュアの保科学世AIグループ日本統括マネジング・ディレクターは、AI活用の現状について「単純な業務はAIによる自動化が進む一方で、予測に基づく最適化が求められ、現場の業務を支えるAIから『経営を支えるAI』へと発展を遂げている」と語った。

日刊工業新聞2020年10月22日

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