カメラで商品認識!無人決済システムがサブスクで価格訴求
TOUCH TO GO(TTG、東京都港区、阿久津智紀社長、03・6851・4735)は、2021年春までに、開発中の人工知能(AI)を活用した無人決済システムを4店舗に提供する。JR東日本グループの紀ノ国屋が16日に山手線の目白駅内で開業する小型スーパーマーケットで採用されたのを皮切りに、グループ内外の小売店や飲食店への導入が決まった。事例を増やしながら標準化やコストダウンを進め、4年以内に100店舗への展開を目指す。
TTGの無人決済システムは初期費用込みのサブスクリプション方式で展開。早期の普及を図るため、導入工期の短縮などの費用削減により月額50万―80万円での提供を狙う。当初は60平方メートルの店舗の場合、月額80万円程度を想定していた。
TTGは山手線・京浜東北線の高輪ゲートウェイ駅内にウォークスルー型無人店舗の直営実証店を設置。カメラなどで利用客が手に取った商品を認識し、決済エリアに立つと代金が表示され、電子マネーやクレジットカードで決済するAIを活用したシステムの開発を進めている。
3月の開設時に7割台だった認識率は、9割を超え、実導入できるレベルに達した。店内に店員が常駐しなくてすみ、1人分の省人化が図れるとして費用対効果を訴求。新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、非対面やキャッシュレス化の需要も取り込む。小売店だけでなく、飲食店へのレジレス提案も積極的に進めていく。
TTGはサインポストとJR東のコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)が折半出資した。深刻な人手不足に悩む小売店舗の省人化ソリューションを念頭に置いてきたが、新型コロナで新たな需要も生まれており、展開を加速する。
日刊工業新聞2020年10月16日