コロナ禍では衝動買いが起こりにくい?スーパーで増える“テキパキ買い”
新型コロナウイルス感染対策として多くの人が外出機会を減らしているが、その全てをなくすことは難しい。その最たる例が買い物だ。多くの消費者はスーパーでの買い物の計画性を高めて滞在時間を縮めたり、ネットショッピングを以前よりも活用したりすることで感染リスクの回避に努めている。
店舗では“テキパキ買い”
凸版印刷と子会社のワン・コンパス(東京都港区)は、電子チラシサービス「シュフー」の利用者約5万人に対して買い物への意識調査を実施した。新型コロナ禍前の2月までと現在のスーパーでの買い物方法の違いを8月上旬に尋ねた。
両社は調査結果から、計画的に商品を買うことで滞在時間を減らす“テキパキ買い”の傾向が強まっていると分析した。店舗での滞在時間を20分未満に抑える人の割合はコロナ禍前と比べて13・8ポイント増の約46%に増加した一方、30分以上滞在する割合は同11・2ポイント減の約20%に減った。また買い物で「予定していたものだけ購入」割合が、同14・3ポイント増の約30%に拡大。
感染拡大を機に、外出の必要がないネットショッピングの利用も積極的になっている。総務省の「家計消費状況調査」によると、2人以上世帯でネットショッピングを利用する世帯の割合は1―3月は40%強だったが、4月から伸び5月に50%超となり、最新の調査結果である7月まで同水準を維持する。
ネットショッピングの利用拡大は感染対策の観点だけでは語れない。三井住友カードは、6月に発表したコロナ禍での消費行動の変化に関する分析の中で、緊急事態宣言解除後も電子商取引(EC)モールや通販でのクレジットカード決済金額が堅調に推移している点に注目。外出自粛を機に利用したところ、その便利さに気付いたことが背景にあると分析した。販売のデジタルシフトは小売り業や製造業にとってこれまで以上に看過できないテーマとなる。