イオンがバックヤードに紫外線殺菌装置を新設!共用冷蔵庫の取っ手の菌の数が…?
イオンはイオンディライトと協業して、従業員休憩室などバックヤードでの新型コロナウイルス感染防止の取り組みを強化する。紫外線を使った殺菌用装置などを新設したイオンスタイル幕張新都心(千葉市美浜区)で実証実験し、全国の店舗に順次横展開する計画。来店客や売り場だけでなく、従業員やバックヤードの対策も徹底することで、安全・安心な店作りを図る。
約650人の従業員が働く幕張新都心では、新型コロナ対策としてこれまで2500万円以上を投じた。3階の従業員休憩室(約70平方メートル)の天井には、ウシオ電機の紫外線を使った殺菌用光源「ケア222」を8台設置。1階の休憩室(約10平方メートル)には2台を設置した。通常は病院などで利用されている装置で、222ナノメートル(ナノは10億分の1)の紫外線(UV)照射でウイルスを不活化させる。
同装置の設置前は、休憩室内にある共用冷蔵庫の取っ手から一般生菌数を1500CFU(個)検出したが、設置後は30CFUと激減した。
また、手が触れる可能性のある高さが2・4メートル以下の壁全体、商品を保管する棚などの什器、ドアなどはすべて殺菌後に、防菌用の空気触媒コーティング剤を塗布。スイッチや自動販売機のボタンなどは抗菌シートを貼り付けた。
休憩室や警備室などには飛沫防止のアクリルパネルの設置やアルコール消毒液を設置した。
また売り場同様、換気用に全熱交換器も増設した。換気状態は二酸化炭素濃度を測定して、モニターで監視している。
イオングループは国内で約50万人もの従業員が働いている。いまだ新型コロナの収束が見えない中、対策の徹底は、従業員の安心はもちろん、来店客からの信用にもつながる。「各店舗の状況に合わせながら同装置の導入など水平展開を加速する」(入野田潤イオンディライト支社統括付)計画。