高まる空気清浄機の必要性、IHIが月1000台に増産
IHIは新型コロナウイルス感染症の対策に向け、空気清浄機を増産する。グループ会社のIHIアグリテック(北海道千歳市)が岡山県内の事業所に製造ラインを増設し、10月前半をめどに現在と比べて約4割増の最大で月産1000台に引き上げる。冬は感染拡大の恐れがあるため、東日本に拠点を持つ別のグループ会社での生産も検討する。
IHIアグリテックは、製造ラインを2本から3本に増強。作業員も増員し、空気清浄機「オゾンエアクリアeZ―100」の月産台数を現在よりも300台ほど上積みする。
IHIでは、医療機関や老人保健施設、企業の3密対策で空気清浄機の必要性が高まっていることを踏まえ、生産能力を高める。eZ―100の生産状況を見ながら、他機種の増産も計画。スリッパによるウイルス拡散を防ぐ装置「紫外線スリッパ殺菌ディスペンサー」も現在の月産100台を11月に同300台まで増やす方針だ。
年末にかけて新型コロナが流行する可能性に備え、IHIアグリテック以外での生産も準備。東日本でも空気清浄機などを生産できる体制を整える。東南アジアでの販売も視野に入れる。
空気清浄機にオゾンとHEPAフィルターを用いており、ウイルスを99・99%以上不活化できるとしている。簡易の隔離テントと組み合わせ、陰圧隔離対策としても売り込む。