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九州電力がビーコン使用の見守りサービス拡充、8万4000人が対象に

九州電力がビーコン使用の見守りサービス拡充、8万4000人が対象に

(左下から時計回りに)キューオッタバイのビーコン、基地局端末、有料サービス向けアプリ

九州電力送配電(福岡市中央区、広渡健社長、092・761・3340)は、ビーコン(小型発信器)を使った見守りサービス「Qottaby(キューオッタバイ)」の事業領域を広げている。電柱を活用し、地域の安心安全を提供するために始まった新事業。福岡市と連携し、市立小学校の児童ら約8万4000人を対象とする行政サービスの一環として提供中だ。

キューオッタバイは経路履歴を記録するシステム。児童が行方不明になれば最後の記録地点を捜索の足がかりにできる。ビーコンから発する近距離無線通信「ブルートゥース」の信号を通学路に置いた基地局端末「見守りポイント」が受信。LTE回線などを通じて位置情報をサーバーに送る仕組み。児童はキーホルダー型ビーコンを持ち、利用者の費用負担はない。

専用アプリケーション(応用ソフト)を導入した一般協力者のスマートフォンやタクシーのタブレット端末も「見守り人」として同じ機能を持つ。集めた情報は警察からの照会にのみ提供する。

福岡市との連携は2019年8月に結んだ協定に基づく。21年1月までに市立小・特別支援学校の全校区を網羅する計画だ。対応校区は徐々に広げている。20年9月末時点で全152校のうち109校区に見守りポイント1800台を設けた。

同ポイントは電柱800カ所のほか、企業の協力でコンビニエンスストアや自動販売機などにも配置。21年3月までに3000カ所の設置を目標とする。

保護者向け有料オプションも提供中。アプリで位置情報の履歴を確認でき、登録した地点を通過すると通知する機能もある。「登下校や日常の行動を把握できると保護者に好評」(担当者)という。

11月から福岡市との協業を広げ、認知症者向け実証も対象者50人規模で始める。児童と異なり、徘徊(はいかい)や迷子など多様な行動に対応する必要がある。ビーコンの携帯方法など試行錯誤をしながら、安心安全を広げる構えだ。(西部・三苫能徳)

日刊工業新聞2020年10月8日

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