送配電網を収益源に、苦しむ大手電力の活路になるか

ドローンの飛行経路などに活用

 大手電力会社が収益源の多様化に向け、鉄塔や電柱といった送配電網の活用を模索している。節電が定着し国内の電力需要が頭打ちとなっているほか、2016年4月の電力小売り全面自由化後は低料金を打ち出す新電力に顧客を奪われているためだ。各社はドローン(小型無人機)の飛行経路にしたり、カメラや人工知能(AI)も使って車両の衝突事故を防いだりする考えだ。

 東京電力ホールディングス傘下の東京電力ベンチャーズは18年6月、楽天やゼンリンと共同で、送電鉄塔を道しるべにドローンで物資を配送する実証実験を行った。鉄塔は「直上に障害物がなく、周辺に有人飛行機が飛ぶ確率が低い」(東電ベンチャーズ)ためだ。19年度中に、山間部など陸上輸送に手間がかかる個人宅への定期配送を実現させる方針。

 関西電力は今年2月、公道の電柱に設置したカメラの映像をAIで解析する実証実験を、日本総合研究所などと共同で実施。走行中の自動運転車に死角となっている車両の情報を伝え、衝突事故を防ぎたい考え。

 中部電力は地域の防犯対策を強化するため、電柱にカメラを取り付けることを自治体に呼び掛けている。設置は有料だが、契約数は「順調に伸びている」(広報室)という。

日刊工業新聞2019年3月26日

日刊工業新聞 記者

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03月26日
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