航空機製造のスマート工場化はどこまで進むか。経産省が後押し

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米ボーイングのエバレット工場(ボーイング提供)

経済産業省は航空機向け自動製造ラインの開発支援に乗り出す。多数のロボットが胴体の穴開けやボルト締めなど複数の加工を行うラインを想定し、2021年度からロボットメーカーなどの開発を後押しする。新型コロナウイルス感染拡大など有事の際に生産機数が大きく減少しても製造ラインを柔軟に修正でき、コスト競争力を確保できる。ウィズコロナ時代における航空機のスマート工場化を目指す。

航空機は生産機数が少ない上、高い安全性が求められ、自動化がなじみにくい。最終の組み立て工程では部材が大型かつ複雑で、手作業に依存しているのが現状。このため航空機関連工場では人員や生産体制の変更が難しく、高コスト構造に陥りがち。コロナ禍に伴い生産機数は大幅に減ったが、各メーカーは雇用問題を含め厳しい経営を迫られている。

経産省は製造工程の効率化と低コスト化を促し、新型コロナのような混乱時でも需要変動に対して柔軟に生産量や製造ラインを修正できるよう自動化を支援する。想定するのは、多数のエンドエフェクター(ロボットアーム先端)をライン上に装備し、さまざまな加工が一度に行える多機能ライン。航空機関連メーカーやシステム構築事業者(SI)などに開発費の一部を補助する。

航空機関連メーカーは硬直的なコスト構造を改善でき、人材確保や技能伝承の問題解消につながる。

将来は製造ラインを自動制御するスマート工場への展開も可能になる。SIやロボットメーカーは自動車産業以外の自動化・ロボット化ニーズを創出でき、新たな市場を深耕できる。

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