ホンダがHV用モーターの生産能力3倍に!電動車を積極投入するワケ 

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ホンダは電動車の品ぞろえを拡充している(八郷社長とフィット)

ホンダはハイブリッド車(HV)など電動車の供給体制を拡充している。日本でハイブリッドシステム用モーターの生産能力を3倍に増強し、米国では同システム用電池セルの組み立て設備を導入した。各国で強化される環境規制に対応するため、電動車の品ぞろえも拡大する。量産効果を高めてコストを抑えつつ、2030年に世界販売に占める電動車の比率を3分の2に引き上げる。(西沢亮)

トランスミッション製造部(浜松市中区)で二つのモーターを搭載した独自のハイブリッドシステム用モーターを生産している。中型車だけではなく、小型車向けに同システムを開発するなど品ぞろえの拡充もあり需要が拡大。18―19年に同モーターの生産能力を従来比2倍に高めたラインを3本増設し、全体の生産能力を同3倍に引き上げた。米国ではインディアナ州の工場に同ハイブリッドシステム用の電池セル組み立て設備を導入し、1月から生産を始めた。

電動車の市場投入も積極化している。2モーターHVでは今年に入り、日米中の主要市場で展開。日本で小型車向けハイブリッドシステムを初搭載した「フィット」、米国で「CR―V」、中国で「クライダー」、欧州で「ジャズ(日本名フィット)」を投入した。

電気自動車(EV)では「ホンダe」を欧州に続き日本で10月に発売する。プラグインハイブリッド車(PHV)では「CR―V PHEV」を中国で21年年初に投入するなど、電動車の品ぞろえを拡充する。

独自ハイブリッドの中核部品となるモーターの調達も広げる。日立オートモティブシステムズと共に、モーターの開発製造を手がける日立オートモティブ電動機システムズ(茨城県ひたちなか市)を17年に設立。同社は19年に日本で量産を開始し、20年度に中国、22年度に米国での生産を予定する。ホンダは外部調達も活用し、拡大する電動車需要に対応する。

「独自の2モーターハイブリッドシステムをフィットを皮切りに小型車の領域まで広げ、コストダウンをさらに進める」(八郷隆弘ホンダ社長)。2モーターHVの品ぞろえ拡大などで、22年までに同システムのコストを18年比25%削減する計画だ。またホンダeでは同システムと同じモーターを採用。PHVは同システムをベースに電池などを効率化して対応する方針で、電動車間の部品の共通化によるコスト削減も見込む。

ホンダは30年に販売台数の3分の2を電動車にする目標を掲げる。その中核を担うのが2モーターHVで、30年までに同HVやPHVの販売比率を19年の計7・6%から50%に高める方針を示す。

一方、米ゼネラル・モーターズ(GM)と北米の4輪事業で戦略的提携の検討を始めると9月に発表。ハイブリッドシステムを含めた車台の共通化などを模索し、早ければ21年にも共同作業に乗り出す。GMとは既にEVの共同開発に着手している。協業をHVにも拡大できれば量産効果などが期待され、電動車戦略を後押しすることになりそうだ。

日刊工業新聞2020年10月1日

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