NTTのドコモ完全子会社化を機に総務省が議論すべきこと
NTTは29日、上場子会社のNTTドコモを完全子会社化すると発表した。一般株主が持つ約34%の株式をTOB(株式公開買い付け)で取得する。買収額は約4兆2500億円。完全子会社化により意思決定を速め、経営の効率向上や海外事業強化などを図る。
TOB期間は30日から11月16日。必要な資金の大部分は金融機関からの借り入れでまかなう。完全子会社化の完了時期はTOBの結果により異なるが、早ければ年内の見通し。
ドコモは海外の通信事業者などと組み、第5世代通信(5G)をはじめとする無線ネットワークのオープン化や高度化を図る「O―RANアライアンス」を推進してきた。NTTはこうした海外展開の加速を狙う。またNTTコミュニケーションズやNTTコムウェア(東京都港区)の機能のドコモへの移管を検討し、グループ会社間の連携強化も模索する。現在上場しているNTTデータの完全子会社化はしない。
29日、澤田純NTT社長は「世界規模での研究開発推進が必要。それにはグループ横断での意思決定迅速化が不可欠」と述べた。
日刊工業新聞2020年9月30日