日産が全面改良する「QX60」、ルーミーで力強くエレガントさも
日産自動車は高級車ブランド「インフィニティ」のスポーツ多目的車(SUV)「QX60」を8年ぶりに全面改良する。2021年の発売を前に、外観デザインの方向性を示した量産前の試作車「モノグラフ=写真」を横浜市西区の本社で世界初公開した。
QX60は3列シート。従来から広々とした「ルーミー」な車内空間が特徴で、ファミリー層の人気が高い。全面改良にあたり、インフィニティの中村泰介シニア・デザイン・ダイレクターは「ルーミーで力強いSUVだが、エレガントな部分がある」とデザインの特徴を強調する。モノグラフではフロントグリルに折り紙から着想を得たデザインを採用するなど日本らしさも表現した。
インフィニティは米国を中心に日本を除く23カ国で展開。調査会社のマークラインズによると、2019年の販売台数は約18万台だった。日産は5月に23年度までの中期経営計画を策定。インフィニティも含め1年半に12の新型車を積極投入するなどして業績回復を目指す。
アシュワニ・グプタ日産最高執行責任者(COO)は25日に公開したQX60モノグラフのオンラインイベントで「現在のインフィニティ製品には京都のテイストをわずかなりとも感じられるだろう」とアピール。日本の伝統や文化も取り入れながらブランド価値を高める考えを示した。
日刊工業新聞2020年9月28日