予測の根拠も提示します。富士通が金融支援AIシステム
富士通は16日、効果的な営業活動やローン審査の効率化、不正請求や詐欺の検知などの金融業務を支援する人工知能(AI)スコアリング(採点化)基盤サービス「フィンプレックス・アンサンビズ」を発売したと発表した。
パッケージ版とSaaS(サービスとしてのソフトウエア)版があり、AIによるスコアリング予測と、次にとるべき有効なアクションを自動で提示する。2023年度末までに売上高10億円を目指す。
新サービスは富士通研究所が開発したAI技術を組み込むことで、少ないデータで高精度な予測を実現した。予測結果の根拠を分かりやすく提示することで、AIのブラックボックス(中身が見えない)問題を解決する。
予測根拠を明確化するために、データの網羅的な組み合わせを列挙して分析。予測結果に強い影響を与えたデータの組み合わせを根拠として提示する。
例えば見込み客に対しては、顧客属性や過去のコンタクト履歴などのデータの全ての組み合わせの中から商品を「買う、買わない」に影響を与えた組み合わせを抽出する。想定していなかったターゲット顧客の特徴も発見できる。価格は導入支援が個別見積もり。パッケージは基本ライセンス(使用許諾権)が月額60万円から(消費税抜き)。米タブローソフトウェアの分析ツールを用いたテンプレート(ひな型)が月額20万円から(同)など。
日刊工業新聞2020年9月17日