従業員85人中70人が女性、オランダ流の働き方で成果

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海外の最先端オフィス環境に触発されてABWを導入した

アイ・メデックス(千葉市花見川区)は、オランダで始まった働き方「アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)」を導入した。業務内容に合わせ場所と時間に制約されずに働けるようにするもので、ABWの概念に基づいてオフィスも刷新。働きやすく、創造性を高められる環境を整え、主力商品である生体電極の可能性を追求する。(千葉編集委員・中沖泰雄)

アイ・メデックスの従業員は85人で、70人の女性のうち、60人が子育てをしながら働いている。これまでも女性管理職が中心となり、子どもの突然の病気や学校の行事などの際に、休暇を取得しやすい職場づくりを進めてきた。政府が推進を呼びかける前から、働き方改革に取り組んできた。

ABW導入については市田社長がフランスや米国のシリコンバレーなどで最先端のオフィス環境に触発されたのがきっかけだ。実際にオフィスで働く20人の従業員から意見を聞き、女性管理職らが中心に環境を整えた。

グリーンを基調とした新オフィスは、業務内容に応じて仕事をする場所が選べるようになっており、集中が必要な際の1人になれるスペースや、ミーティングスペースなどを設けている。千葉測器(千葉市中央区)がプロデュースした。

ABWは新型コロナウイルスの感染拡大が続いていた5月に導入した。その後は「生産性がアップし、スピード感が出てきた」(市田社長)と評価する。

ABW導入の背景には生体電極が人工知能(AI)や、IoT(モノのインターネット)に必要なビッグデータ(大量データ)を取得するセンサーとして注目されていることがある。主力の医療でも用途が拡大しているほか、スポーツや農業など、さまざまな分野でセンシング技術の応用が期待される。

生体電極は医療以外にもスポーツや農業への応用が期待される

それに関連して千葉大学大学院看護学研究科と患者が点滴の針などを自分で抜く自己抜去(ばっきょ)を防止するシステムを共同開発するなど、外部との連携も加速する。市田社長は「水面下でいろいろな話が進んでいる。今後は医療以外の市場も開拓し、特定分野に依存しないようにして経営の安定化を図る」と生体電極の用途開発を進め、新しい事業を創出する方針だ。

これを実現するには「かけがえのない時間を生み出し、考える時間を増やして、全員がクリエーティブになる必要がある」(市田社長)と考える。そのため、ABWやテレワークなどの働き方改革を積極的に進めているわけだ。ABWの第1弾として本社3階オフィスに導入したが、今後はパートが休憩するスペースもABWをベースに刷新する計画もあり、導入範囲を段階的に拡大していく。

働き方改革で生み出した時間を生かし、「現場に足を運ぶ回数を増やすなどニーズを自分の目で確認し、イノベーションを起こせるような技術開発に結び付けてもらいたい」(同)と期待する。

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