三菱自の下請けで初の倒産を決断した安藤工業所。社長が胸中を語る
「いろいろ考えて早めの決断をした。不正問題が踏ん切りとなった」
安藤工業所(岡山県倉敷市)の安藤嘉孝社長は日刊工業新聞の取材に応じ、自己破産手続きを申請した理由について三菱自動車の燃費不正問題を受け「いろいろ考えて早めの決断をした。不正問題が踏ん切りとなった」と述べた。また「生産が昔のように戻ることはないだろう」とし、先行きの見通しが立たない不透明感が早めの決断に至った要因の一つとの認識を示した。
安藤工業所は地元部品メーカーから三菱自向け座席用フレームの溶接加工などを受注。不正対象となった軽自動車の部品も手がけていた。売上高のほぼすべてを三菱自関連が占める。問題を受け軽の生産が停止されたことで部品供給が滞り、資金繰りなど事業環境が悪化したという。
三菱自は不正発覚後の早い段階から部品メーカーへの支援を表明していたが、安藤社長は「自らの判断で破産を選択した」。不正問題を起こした三菱自については「文句を言うつもりはない。4日からの生産再開についても別になにもない」(安藤社長)と述べた。帝国データバンクによると安藤工業所は6月20日までに事業を停止。負債は約2700万円。不正問題で企業倒産が判明したのは初めて。
三菱自動車は4日、水島製作所(岡山県倉敷市)で燃費不正問題を受け停止していた軽自動車の生産を再開した。4月20日の停止から約2カ月半ぶりの稼働となる。設備の稼働状況を確認しつつ試験的に生産し、7月20日に本格稼働する。須江隆行水島製作所所長は「品質を第一に取り組み、早く信頼を取り戻して生産の正常化につなげたい」と述べた。
水島製作所で軽の生産を担当する従業員約1300人は一時帰休していたが、4日までに900人が復帰。生産状況にもよるが残り400人も秋前をめどに同製作所に戻る予定だ。
軽の生産は7、8月に各約5000台、9月に約9000台を計画。現在は同製作所にすでに納品した部品で生産しており、サプライヤーへの部品の発注は7月末から本格化する見込みだ。
三菱自に軽の保安部品を納めるメーカーの社長は「以前の生産水準に戻るかわからないが再稼働はありがたい」と、停止していた一部ラインを6日に稼働する方針。少しずつではあるが、地元に活気が戻りそうだ。
安藤工業所は地元部品メーカーから三菱自向け座席用フレームの溶接加工などを受注。不正対象となった軽自動車の部品も手がけていた。売上高のほぼすべてを三菱自関連が占める。問題を受け軽の生産が停止されたことで部品供給が滞り、資金繰りなど事業環境が悪化したという。
三菱自は不正発覚後の早い段階から部品メーカーへの支援を表明していたが、安藤社長は「自らの判断で破産を選択した」。不正問題を起こした三菱自については「文句を言うつもりはない。4日からの生産再開についても別になにもない」(安藤社長)と述べた。帝国データバンクによると安藤工業所は6月20日までに事業を停止。負債は約2700万円。不正問題で企業倒産が判明したのは初めて。
水島再開。まず900人が復帰
三菱自動車は4日、水島製作所(岡山県倉敷市)で燃費不正問題を受け停止していた軽自動車の生産を再開した。4月20日の停止から約2カ月半ぶりの稼働となる。設備の稼働状況を確認しつつ試験的に生産し、7月20日に本格稼働する。須江隆行水島製作所所長は「品質を第一に取り組み、早く信頼を取り戻して生産の正常化につなげたい」と述べた。
水島製作所で軽の生産を担当する従業員約1300人は一時帰休していたが、4日までに900人が復帰。生産状況にもよるが残り400人も秋前をめどに同製作所に戻る予定だ。
軽の生産は7、8月に各約5000台、9月に約9000台を計画。現在は同製作所にすでに納品した部品で生産しており、サプライヤーへの部品の発注は7月末から本格化する見込みだ。
三菱自に軽の保安部品を納めるメーカーの社長は「以前の生産水準に戻るかわからないが再稼働はありがたい」と、停止していた一部ラインを6日に稼働する方針。少しずつではあるが、地元に活気が戻りそうだ。
日刊工業新聞2016年7月5日