有機EL照明で目視検査、カネカが製造業向けに

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部品の表面に傷がないかなどを確認する目視検査で有機EL照明を活用する

カネカは製造現場での目視検査向けに有機EL照明を国内外で拡販する。太陽光に近い柔らかな光で部品表面の傷などを見つけやすい点や、目への負担が少ない点などを訴求する。すでに国内向けに提案を始めており、2022年度までに中国やベトナムなどアジア地域でもマーケティングを始める。新規事業として育成し、同年度に検査光源用途で出荷台数1万台を目指す。

カネカによると、製造現場での目視検査は発光ダイオード(LED)照明などのより明るい照明の採用が進む。一方で、LED照明の指向性が高く強い光は、作業者の目に負担が大きいという。

実際に有機EL照明を導入した工場では、従来の照明の10分の1の明るさでも不良品の見逃しが50%削減された事例や、作業員の頭痛や肩こりなどの健康面や離職率が改善した事例がある。

国内で採用実績のある企業の海外拠点への横展開なども狙い、将来的には製造ラインの照明への採用も目指す。20年4―6月期の検査光源向け有機EL照明の月あたりの出荷台数が、前年同期比で約10倍に伸長しており、今後も需要は増えるとみている。

有機EL照明パネルの製造はカネカの100%子会社、OLED青森(青森県六ケ所村)が担っており、需要に応じて同社での増産も視野に入れる。

カネカの有機EL照明は、面発光で光が拡散しやすく影ができにくい。一般的なLED照明と同等の寿命も実現。縦9センチ×横9センチメートルの有機EL照明パネルの厚さは1・1ミリメートルで、重さは18グラムと薄くて軽い。

美術館やホテル、化粧室向けなどで広く採用されている。カネカは有機EL照明を新規事業として育成し、収益の多角化につなげる考え。


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日刊工業新聞2020年8月30日

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