極薄で指に巻ける、「世の中にない」水や酸素に強い有機EL

日本触媒など開発

 日本触媒はNHK放送技術研究所(東京都世田谷区)と共同で、水と酸素に強く、通常の紙よりも薄い有機ELフィルム光源「アイオーレッド」を開発した。テレビや自動車の内外装、アパレル装飾、医療機器向けなど広範囲に提案を始めており、2021年3月までの発売を目指す。すでに複数企業から引き合いがあり、国内を中心に自社や関係会社で量産拠点も選定していく。

 アイオーレッドは厚さ0・07ミリメートルで、従来の有機ELの約4分の1程度と薄いのが特徴。曲面に沿うことが可能で、ヒトの肌や棒状のものに巻き付けるなど、これまで使用できなかった箇所への活用が期待できる。

 従来の有機ELは、大気中の酸素や水分に弱く、周りを厚いバリアーフィルムで囲う必要があった。アイオーレッドは素子構造を反転させ、酸化しにくい金属を電極に使用。電極間の有機層の一部に電気が流れやすい新たな材料を使い、水・酸素に強く、極薄なデバイスを実現した。

 価格はフィルム光源の色や、サイズなどによって異なる。日本触媒の森井克行事業創出本部研究センター主席研究員は「水と酸素に強い有機ELは世の中にない。フィルム光源の新たな市場を創出したい」としている。

日刊工業新聞2019年6月14日

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