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LED照明市場、早くも今年が踊り場に

コモディティー化で20年ピークに減少へ
 富士経済(東京都中央区、清口正夫社長)は、照明製品の国内市場規模が2025年に16年比17・0%減の7387億円になる予測をまとめた。白熱灯や蛍光灯といった電熱/放電灯の需要が発光ダイオード(LED)照明の普及で急速に減少するためだ。LED照明も軒並み普及したことやコモディティー(汎用品)化の影響で20年をピークに減少に転じそうだ。

 電熱/放電灯の17年の国内市場規模は前年比20・2%減の1617億円と、2000億円を割り込む見込み。20年には907億円と1000億円を割り込み、25年には597億円と16年の3分の1以下になると予測した。

 LED照明は17年に前年比3・3%増の7102億円と、初の7000億円超となる見込み。ただ、コモディティー化で機能的価値による差別化が難しくなってきており、18年には踊り場を迎える。

 25年には16年比4・9%減の6540億円に減りそうだ。次世代照明とされる有機EL照明の17年の国内市場規模は前年並みの4億円にとどまる見込みだが、25年には250億円に拡大すると予測した。
                  
日刊工業新聞2018年1月18日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
富士経済によると、LED照明市場が踊り場を迎えるため、再成長に向け省エネ・快適性・IoT(モノのインターネット)化を実現する次世代光源の開発と照明の質的向上が求められると指摘。照明器具のモノ売りから、照明や光のソリューション提案であるコト売りへの転換が市場の発展につながるという。

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