3mかさ上げする高床工法、住宅浸水対策で埼玉の企業が提案

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家の土台下にH形鋼を設置してかさ上げする(イメージ)

高橋監理(埼玉県春日部市、高橋龍夫社長)は、豪雨や台風による住宅の浸水対策として家全体をかさ上げする新工法を開発した。家の土台下に必要な本数の鋼材を設置し、油圧で建物を吊り上げる。吊り上げた家の下に鉄筋コンクリートを用いて1階部分を基礎から作り上げる。かさ上げは3メートルと高く、業界でも珍しいという。地方自治体のハザードマップを基に「高床工法」を提案し、被害を最小限に抑える。

高橋監理の高床工法は、家の1階床をはがし土台下の基礎コンクリートに穴を開け、必要な本数のH形鋼を設置する。家全体を乗せて油圧で持ち上げ、その下に鉄筋コンクリートで1階部分を作る。家を吊り上げた状態で適所に入り口と外階段を設置し、設備配管をつないで完成する。現在、特許を申請中だ。

2階建ての家屋やアパートが対象。家に住んでいる状態でかさ上げするため、引っ越しの手間がいらない。工期は調査から完成まで1カ月半から2カ月程度。施工は100%子会社の日本防災(東京都中央区)が行う。

工事費用については1階面積坪が10坪(約33平方メートル)以上で、1坪当たり97万円(消費税抜き)に設定。杭基礎など地盤の補強費用は別途かかる。

高橋社長は新工法の開発経緯について「東日本大震災で津波の被害を目の当たりにし、建築業者として何かできないかとの思いから開発に至った」という。

近年、集中豪雨などで水害が多発し、住宅が浸水する被害が広範囲に出ている。同社は全国の浸水想定区域を中心に水害リスクを軽減する対策として訴求する考えだ。

日刊工業新聞2020年8月26日

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