新型コロナ治療薬・ワクチン開発のカギを握る2種類のたんぱく質の正体

横浜市大が「立体構造」解析へ

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透過型電子顕微鏡で撮影した新型コロナ(NIAID―RML提供)

横浜市立大学の朴三用教授らは、新型コロナウイルスを構成するたんぱく質の立体構造解析に着手した。新型コロナの外壁を構成する「膜たんぱく質」とウイルス内のリボ核酸(RNA)と結合する「ヌクレオたんぱく質(Nたんぱく質)」の2種類のたんぱく質の全長の構造解明を目指す。両者の立体構造が分かれば、膜たんぱく質はワクチン、Nたんぱく質は治療薬の開発につながると期待される。2021年度にも解明を目指す。

新型コロナのワクチン開発ではウイルスから突出している「スパイクたんぱく質」が標的となっている。研究チームが注目している膜たんぱく質はウイルスの骨格を形成し、スパイクたんぱく質を制御している。そのため膜たんぱく質を標的にしたワクチンによってもウイルスの増殖を抑えることができる。

新型コロナはヒトの細胞に寄生して増殖する。Nたんぱく質は、RNAと結合してウイルスの複製に重要な役割を果たす。Nたんぱく質と結合して効果を阻害する分子を選定できれば、治療薬の開発につながる。

新型コロナを構成するたんぱく質の立体構造解析は20年になってから数多く発表された。ほとんどのたんぱく質の構造が解析されたが、膜たんぱく質とNたんぱく質の構造はまだ解明されていない。特に、膜たんぱく質は単体では不安定な構造をしており、重合体を形成する。そのため、電子顕微鏡を使って重合体での立体構造解析を試みる。

日刊工業新聞2020年8月26日

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