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阪大などが開発中の「DNAワクチン」、新型コロナの感染抑えられる可能性を示唆

阪大などが開発中の「DNAワクチン」、新型コロナの感染抑えられる可能性を示唆

新型コロナに対応するDNAワクチン(阪大提供)

アンジェスは、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、動物に投与したところ、ウイルスに対する抗体の量や強さである「抗体価」の上昇を確認した。ワクチンを投与するとウイルスに対抗する抗体がつくられ、感染を抑えられる可能性が動物実験で示唆された。

今後、毒性の有無を確かめるなど次の段階へ移行する。人で安全性や有効性を確認する臨床試験は、7月中の実施を目指す。

大阪大学などと「DNAワクチン」を共同開発している。試作中のワクチンを動物に投与し、ウイルスに対抗できる抗体ができていることを確認した。定量的な抗体の量や強さなどは今後評価する。

DNAワクチンは、一般的なワクチンと違い危険な病原体を一切使用しない。安全な上、短期間で製造できるとしている。実用化できれば、普及スピードは速い。

アンジェスなどは公表当初の3月に9月の臨床試験を目指すとしていた。新型コロナの感染が続く中、有効なワクチンに対する要望は強い。動物試験の良好な結果を受け、臨床試験は前倒しできる見通しだ。

日刊工業新聞2020年5月28日

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