プラスチックの新用途にロボット、金属の代替で軽量化なるか?

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三井化学の素材はMELTANT―βのスキンに採用された

化学各社は、プラスチックなどの新たな用途として、ロボット分野の開拓に注力している。三井化学は特にユニークな活動を展開。メルティンMMI(東京都中央区)のアバターロボット実証試験機「MELTANT―β」のスキン向け素材や、人間の拍手を再現したロボハンドを開発した。ロボの部材は金属製が多く、プラ代替による軽量化も期待される。(梶原洵子)

三井化学は、MELTANT―βのスキン向けに、弱い力でも伸びて元に戻る特徴を持つ素材「アブソートマー」を配合したシートを開発し、供給している。ゴム弾性の強い素材をスキンに使うと筋トレのように多くのエネルギーを消費するが、弱い力で伸びるアブソートマーによって余分なエネルギー消費を抑えられる。また熱をかけてつなぎ合わせられるため、縫製で穴を開けずに済み、防滴防塵性を実現した。「デザイナーさんがやりたいことと素材屋の技術を組み合わせると、面白いことができる」(三井化学)という。

また同社は拍手や声で人を楽しませる、バイバイワールド(東京都品川区)のエンターテインメントロボ「ビッグクラッピー」向けに拍手ハンドを開発した。肌に近い感触のゲル新素材をベースに、素材の分子構造を変えて硬度や反発性の異なる拍手ハンドを作り、音響テストで最適な素材を選んだ。

三菱ケミカルは、自動車などで軽量化部材として使われているエンジニアリングプラスチック製品を、ロボ分野でも販売拡大を図る。軽量化による動作時のエネルギー削減は、車もロボも共通の課題だ。また新たな素材も、ロボ向けにサンプルワークしているという。

ENEOSは、熱刺激で伸縮するエラストマー系新素材を開発した。将来、介護や体の動きを補助する用途でソフトアクチュエーターとしての採用を目指す。

介護ロボや体の動きを補助する装着型ロボの開発は多様化しており、柔らかく、音の出ないアクチュエーターが求められる分野も出てくると予想する。

日刊工業新聞2020年8月7日

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