巣ごもり需要で好調だったが…メルカリとLINEが赤字のなぜ?

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メルカリとLINEで大幅な営業赤字が続いている。それぞれの主力事業であるフリーマーケットアプリ「メルカリ」、対話アプリ「LINE」の国内事業はコロナ禍による巣ごもり需要で好調だったが、スマートフォン決済への先行投資分をカバーできなかった。LINEはソフトバンクグループ傘下のZホールディングス(HD)との統合を控え、メルカリはNTTドコモとの連携を進める中、両社のスマホ決済「LINEペイ」「メルペイ」の今後に注目が集まる。

顧客獲得合戦

メルカリが6日発表した2020年6月期連結決算は、営業損益が193億円の赤字(前年同期は121億円の赤字)だった。フリマアプリ「メルカリ」の国内流通総額は前期比1356億円増の6259億円と好調だったが、メルペイと米国のフリマアプリ事業が足かせとなった。LINEの20年1―6月期連結決算(国際会計基準)も営業損益が139億円の赤字(前年同期は218億円の赤字)。LINEペイや人工知能(AI)など「戦略事業」の営業損益が347億円の赤字となったことが響いた。

両社のスマホ決済の先行投資がふくらんだ要因は19年に勃発したスマホ決済の顧客獲得合戦の影響が大きい。19年2月に始めたメルペイ、14年12月から提供していたLINEペイも大規模還元を実施し、メルペイの利用者数は700万人、LINEペイの月間アクティブユーザー数も559万人に達した。

強い携帯大手

だが、MMDLabo(東京都港区)が6月末に実施した調査によると、最も利用している2次元コード「QRコード」決済でLINEペイと答えた割合は6・2%と5位。メルペイは3・4%で6位と、首位のペイペイ(48・7%)に大きく離された。ペイペイはソフトバンク系、d払いはNTTドコモ、auペイはKDDIと、上位のスマホ決済はいずれも携帯通信大手が手がける。経営体力の違いが、利用率や業績に大きく影響した格好だ。

国内では3月に第5世代通信(5G)が商用化。膨大なデータを分析する時代を迎える中、スマホ決済で得られる購買履歴を多く持つ通信会社ほど競争力が高まる。多様なサービスを提供する「スーパーアプリ」化に不可欠な存在のため、各社はシェア拡大にしのぎを削ってきた。

4陣営の争い

そうした中、LINEは21年3月にZHDと経営統合する。国内スマホ決済市場で独走するペイペイはZHDと同じソフトバンクグループ傘下だけにペイペイとLINEペイの関係性に注目が集まる。メルカリも2月にNTTドコモとスマホ決済やポイントサービスで業務提携した。9月から1つのQRコードでd払いとメルペイを利用可能にする。携帯大手3社に楽天ペイを手がける楽天を加えた4陣営の争いとなりそうだ。

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