バーチャル展示会や新工場の建設、ニューノーマルに向かう中小企業たち

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ゲーム技術を応用した、ビーライズのVR展示場

パノラマ見学

新型コロナウイルス感染症の拡大で展示会の開催中止が続く。仮想現実(VR)の展示会を提案するのはビーライズ(広島市中区)。開発した「バーチャル展示場」は、会場と出品物をモニターに出力し、360度見学できるシステムだ。自身のアバターの設定や展示場の係員やコンパニオンとのチャットも可能。VRゴーグルを使わないVRで、多人数で画面を共有する。「ゲーム技術を活用した。展示会だけでなく、オンラインでの技術教育など想定需要は多い」(波多間俊之社長)と見る。

フェクト(岡山県津山市)は、自動車向けなどの機能性コーティング剤の研究開発が主力。抗菌抗ウイルスコーティング剤の受注が急増している。2019年までの生産量は年1トン未満だったが、3月以降は月に約1トンを生産した。新型コロナ対策としてドアノブなどに施工する小売店や病院、学校が増えたという。安田海人社長は「膜自体に抗菌作用があり、長時間その機能性を保つことができる」と効果に期待を寄せる。

同コーティング剤は無機系ガラスコーティング剤をベースに特殊アンモニウム塩化合物を配合。インフルエンザの抗ウイルス性試験で、ウイルス量が10分後に6000分の1以下に減ったという。

成長の手段

ポエックはポンプの卸売り販売とメンテナンスを主業務に1989年創業したが、その後7件のM&A(合併・買収)を繰り返して業容を拡大。M&Aを成長の有力な手段として位置付ける。

舶用機器や撹拌(かくはん)機、オゾン脱臭装置などが買収によって加わった。直近の売上高は56億円(19年8月期)だが、祖業のポンプを含む環境・エネルギー事業はこのうち47%。あとは主に買収した事業だ。「今よりもっとおもしろい事業、稼げる事業はないかと意識してきた。これからも我々が理解できる機械や電機の業界で、後継者不在の有力企業のM&Aを検討していく」と釆女信二郎社長は話す。

工場新設

新型コロナの影響で海外部品調達に支障が出た住宅機器メーカーが、水回り部品の海外生産分を国内調達に戻す動きがある。カワトT.P.C.(山口県岩国市)は、10億円を投じ金属製の水回り部品を生産する24時間稼働の自動化量産工場を新設する。新工場は来春に完成予定だ。川戸俊彦社長は「国内生産の受け皿になる」と話す。

需要が高まるプレハブ配管の作製現場(カワトT.P.C.)

同社はマンション向けのプレハブ給水・給湯配管システムでトップシェアを誇る。工場で配管を加工、組み立てセットにして出荷。現場での配管の加工は必要ない。建築現場で職人が不足し需要は高まっている。工場内でプレハブ配管を作る主力は女性だ。川戸社長は地域の雇用を作る役割も強く意識する。

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