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バウムクーヘンの“ハート形芯”試作の東大阪の中小企業、その理由は?

永友精作所(大阪府東大阪市、永友篤藏代表)は、バウムクーヘン製造装置の開発に乗り出した。バウムクーヘン焼成時に使う芯をハート形に加工する仕事の依頼が頓挫したことをきっかけに、単独でのハート形芯と装置開発を始めた。ハート形芯はアルミニウム製の試作品第1号(写真)がこのほど完成。まず、ハート形芯の開発に注力する。順調に進めば、装置は試作機第1号が10―11月頃に完成する予定。

永友精作所は5軸複合旋盤やレーザー加工機、ワイヤ放電加工機などを所有するほか、溶接や製缶などにも対応。幅広い加工機と職人技術で、多様な製品に対応している。5軸複合旋盤にオプションを追加する投資を行い、ハート形芯の開発を加速させている。この投資により、加工精度向上が期待できる。

今後開発を進める装置は、筐体(きょうたい)を社内で板金加工し、ヒーターを取り付けて製造する方法を検討する。一般家庭向けの装置販売やレンタルのほか、バウムクーヘンを製造する洋菓子屋向けにハート形芯のみを販売することなどを想定する。

日刊工業新聞2020年7月24日

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