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総事業費約20億円、金沢城「鼠多門」と「鼠多門橋」復元

石川県は金沢城公園(金沢市)内の「鼠多門(ねずみたもん)・鼠多門橋=写真」の復元工事を完了し、一般公開を始めた。城郭建築では全国唯一という黒い漆喰(しっくい)によるなまこ壁など史実に沿った「本物志向」で復元しつつ、現在の安全基準や耐震性、バリアフリー化に配慮した。総事業費は約20億円。

鼠多門は江戸時代初期から1884年に火災で焼失するまで存在した。復元工事は2018年に着工し、大工や左官など計90人の職人が携わった。木造2階建てで、石川県産の木材を75%使用している。鼠多門橋は道路をまたいで全長約33メートル。景観と調和するように鋼材を木材で覆った。

事業開始時に機運を高めるための寄進を募り、計1400万円を集めた。寄進者の名前やメッセージを瓦や板に記している。入館は無料で、22時までライトアップする。(金沢)

日刊工業新聞2020年7月31日

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