災害時でもキャッシュレス維持!「買い物難民」防止に経産省が今秋実証

  • 1
  • 1
キャッシュレス決済のイメージ

経済産業省は災害発生時でもキャッシュレス決済が利用できる環境構築に乗り出す。決済インフラとして広がりを見せる中、停電や通信障害などが原因となって買い物で使えない事例も生じている。各地で大規模災害が頻発する中、関係団体からの意見を集約して今秋をめどに実証を開始し、運用マニュアルやガイドライン策定を通じて通常時の代替手段として確立を目指す。

実証はクレジットカードと2次元コード「QRコード」による決済を対象に、店舗と決済事業者との間で生じる事務処理の運用方法を中心に検証する。電力や通信の途絶で決済端末が使えないことを想定し、利用者がクレジットカードやQRコードの登録番号を店舗側に記帳することで購買可能とする方法を軸に進める。記帳した内容を基に照合し、利用者からの金額の徴収や店舗に入金されるまでの流れを確立する。

記帳によって生じる不正やミスについても対策を検証する。利用者や店舗が番号や金額の記載を間違えた際の対処方法や、クレジットカードやQRコードを不正利用しないための手だてを講じる。実証参加者による利用パターンを体系化してマニュアルやガイドラインとしてまとめ、決済事業者や店舗に対して運用を促す。

産省によると2019年の金額ベースのキャッシュレス決済比率は26・8%と、上昇傾向が続く。中小事業者を含めて決済インフラとして普及が進む一方で、18年の北海道胆振東部地震や19年の台風15号では大規模停電が原因で利用できなくなる事態が生じた。災害時以外にも決済事業者による通信トラブルで一時的に利用できないケースが頻発しており、代替手段としてあえてアナログな手法を軸に確立を図る。

日刊工業新聞2020年7月28日

関連する記事はこちら

特集