幅0.05mmのひび割れまでわかる!AIでインフラを高精度に解析

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インフラ構造物の自動撮影

東設土木コンサルタント(東京都文京区、島田保之社長、03・5805・7261)は、道路橋など大規模建造物を自動撮影し、その合成画像から人工知能(AI)でひび割れなどの変状を高精度で検知する技術を開発した。幅0・05ミリメートルのひび割れまで見分ける。500以上のひび割れの検出に従来の12時間から1時間半と8分の1に短縮できる。インフラ構造物の点検ソリューションとして道路橋やトンネルを有する道路事業者に導入を提案する。

高解像度のデジタルカメラで自動雲台を使って遠方から自動撮影し、対象の全体をくまなく撮影。膨大な撮影画像を一つに合成した上で、独自開発したAIでひび割れを自動解析し、解析結果を管理支援ソフトウエアに取り込み、調書類も自動出力する。

画像認識によるひび割れ検知技術は一般に、キズや汚れ、水垂れ痕などひび割れと類似する画素を誤検知することが多く、実務に活用するのが難しかった。東設土木は画像点検で培った豊富なノウハウなどをもとに教師データを作成し、キヤノンと共同開発したAIに学習させ、実務に活用できる精度を実現した。国土交通省が実施した「道路橋点検記録作成支援ロボット技術」の試行で、東設土木の技術はひび割れの判読可能率は99%と高く評価された。

高度経済成長期に建設された多くのインフラ構造物は老朽化が進み、より的確な点検、変状の管理が求められているが、点検技術者は減少傾向にあり、目視点検の労力も課題だった。2019年に道路橋と道路トンネルの定期点検要領が改訂され、近接目視と同等の診断ができれば補完、代替する技術の活用が可能になり、AIを活用した高度な画像点検の需要が高まっている。

東設土木は東京電力ホールディングス(HD)子会社の東電設計(東京都江東区)の全額出資子会社。画像点検の分野を伸ばし、非東電グループの売上高を25年に現状比3―4倍に引き上げる計画。外販の比率は現状の6割に対し、25年ごろには8割程度に高まる見通しだ。

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