高圧ジェット水対応の防護服、原発廃炉で活躍するか?
四国電力、トーヨ(愛媛県西条市、渡邊学社長)、愛媛大学は伊方原発1号機(愛媛県伊方町)の廃炉作業に向けた高圧ジェット水に対応できる防護服を開発した。完成報告を受けた中村時広愛媛県知事は「伊方原発だけでなく、タンク内の清掃など他業種でも使えるのでは」と期待を寄せ、四国電力の長井啓介社長は「火力発電所や水力発電所の現場でも活用を検討していきたい」と、用途を拡大する考えを明らかにした。
四国電力は伊方原発1号機の廃止決定に伴い、廃止措置作業を安全、効率的に実施する技術の研究開発を目的に、2016年4月に「廃止措置研究に係る検討会」を設置。今回が2例目の研究成果。
トーヨの防護服開発技術をベースに、愛媛大学の流体力学や材料力学の技術協力のもと、高強力ポリエチレンや透湿防水ナイロンなどを組み合わせた多層構造の素材を採用。100メガパスカルの高圧ジェット水に対応する耐久性と柔軟性を兼ね備えた防護服を開発した。
防護服はベストやアームカバー、ネックカバーなどを用途に応じて組み合わせて使用する。今後は高圧ジェット水による洗浄作業を行う業界に向けて1セット20万―40万円で販売していく計画だ。(松山)