貼ると針が皮膚内で溶け美容成分注入、注目の「マイクロニードル」技術とは?
京都薬科大学発ベンチャー、コスメディ製薬
京都薬科大学発ベンチャーのコスメディ製薬(京都市南区、神山文男社長)は設立以来、特許戦略を成長の柱に据える。経皮吸収型医薬品・化粧品に加え、周辺技術を対象に国内外で約200件の特許を出願、そのうち100件程度が権利化されている。
当初は貼って皮膚から薬を送りこむ経皮薬物送達システム(TDDS)技術開発に注力、製薬会社からのライセンス収入が主力だった。インキュベーション施設を経て「1企業として持続的に成長するという起業意識が高まり」(権英淑〈ケン・エイシュク〉取締役)、技術を応用して化粧品分野に参入した。
飛躍的成長を遂げた契機は2008年に世界で初めてヒアルロン酸を用いたマイクロニードルの工業化技術を確立したこと。微細針そのものが皮膚本来の成分であるヒアルロン酸などからなり、貼ると針が皮膚内で溶けて美容成分を直接肌に注入できる。アンチエイジングを目的としたパックとして自社ブランド「クオニス」を展開するほか、大手化粧品メーカーにOEM(相手先ブランド)供給する。
日刊工業新聞2020年7月16日