ファンケルが注力する「1人の顧客に長く利用される」サービス作り
最適な商品提案を徹底
ファンケルは前身となる1980年の個人創業時から通信販売を開始し、97年からインターネット販売に取り組む。化粧品や健康食品などのインターネット販売は通販売り上げの6割を占める。電子商取引(EC)では「一人ひとりに最適な提案」の徹底に努める。商品の価値を顧客に伝え、最適な商品を提案する。「なぜ、おすすめなのか」という根拠も含めた提案に取り組み、「1人の顧客に長く利用される」サービスを目指している。
2月に始めたサプリメントの「パーソナルワン」や定期購入サービスは個人向け戦略の一環だ。1―3カ月の計3コースの定期購入は顧客から好評で、2019年12月までの顧客数と比べ2倍以上の伸びを見せている。
ECサイト「ファンケルオンライン」は、NTTコム・オンライン・マーケティング・ソリューション(東京都品川区)が3月に発表した「NPSベンチマーク調査」の化粧品通信販売部門で初めて1位を獲得した。調査は顧客ロイヤルティーを測る指標の一つで、ファンケルは「使い心地の良さ」など高評価を得た。同サイトは「何も考えなくても必要なものが買える自然なサイト」をコンセプトにしている。
また、同サイトは「情報を出すブランド媒体」の役割も持つ。通販営業本部の長谷川敬晃営業企画部長は「通販で買う人、店舗で買う人にとって有益なものにしたい」と情報発信の狙いを語る。今後は「(顧客とサイト内で)コミュニケーションできるように店舗でできることをデジタルでもできれば」(長谷川部長)と双方向性を高める方針だ。(横浜・八家宏太)
日刊工業新聞2020年6月12日