好調な「第三のビール」、大手メーカーはどう動く?

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家庭用が中心の第三のビールの販売が伸びている

業務向けビール大幅減

ビール大手4社の1―6月のビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)の販売数シェアでビールが38%、第三のビールが49%となり、初めて首位が入れ替わった。新型コロナウイルスの感染拡大で飲食店が休業し、業務用が中心となるビールが大幅に減少。一方、家庭用が中心となる缶商品で割安感のある第三のビールは販売を伸ばした。今後、ビール各社の投資戦略や商品開発などに影響しそうだ。(高屋優理)

【ビール縮小】

キリンビールの布施孝之社長は今後のビール類市場について、「新型コロナウイルスの感染拡大による消費動向の変化は影響が大きい」とみる。ビールが縮小し、第三のビールが拡大する現在のトレンドが一過性のものではないという見方だ。

大手4社の1―6月のビール類合計販売数量は前年同期比約10%減。各社別では、キリンビールが同4%減、サッポロビールが同7%減、サントリービールが同11%減。販売金額ベースのアサヒビールは同17%減となった。4、5月は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、業務用を中心に大きく落ち込んだものの、6月は同5%減まで回復している。

【6月回復傾向】

減少要因となったのは、業務向けの比率が高いビールだ。ビールは、緊急事態宣言により飲食店が休業した4月は、市場全体で同52%減まで落ち込んだ。5月は同40%減、直近の6月は同19%減となり、回復傾向にあるが依然として“水面下”にある。各社別ではキリンが同24%減、サッポロが同22%減、サントリーが同34%減となった。アサヒはカテゴリー別では公表していないが、主力の「スーパードライ」が同22%減だった。

業務向けが大きく落ち込む中、ビール類市場でけん引役となった第三のビールは、キリンが1―6月に同8%増、サッポロが同35%増と堅調に推移した。サントリーは前年並みだったが、アサヒも発泡酒と第三のビールを合わせた販売数量が同10%増と伸びた。

【16カ月連続増】

キリンは「本麒麟」が同39%増と、16カ月連続でプラスとなるなど、伸びが続いている。

また、サッポロは2月に「ゴールドスター」、アサヒは3月に「ザ・リッチ」を発売し、いずれも販売目標を上方修正しており第三のビールは好調だ。

ただ、1―6月のビール類の減少は8年連続で、減少トレンドは今に始まったわけではない。いわゆる「ビール離れ」を各社がどう克服するか、業界の構造的な課題は残ったままだ。

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