過酸化水素から水素生成する阪大の技術、何がすごい?

貯蔵・運搬容易に

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大阪大学太陽エネルギー化学研究センターの白石康浩准教授と平井隆之教授らは、過酸化水素から水素を生成することに成功した。金属を使わない半導体粉末触媒とリン酸を使い、太陽光で反応させる光触媒技術による。金属を使わないことで過酸化水素分子の分解を防ぎ、リン酸が過酸化水素を安定させることにより水素の生成を促進する。直接の貯蔵や運搬の難しい水素に代わる輸送用物質として過酸化水素の利用が期待できる。

過酸化水素は、水素の貯蔵や運搬に活用されるアンモニアやギ酸、有機ハイドライドなどに比べ効率的に合成できるため活用できれば水素輸送が容易になる。ただ従来は水素を得る前に過酸化水素が電子に反応する還元や分子の分解が起き、水素生成が難しかった。今後は水素の生成効率の向上に取り組み、実用化を目指す。

研究グループは、触媒として炭素と窒素からなる有機半導体に、水素生成時の過電圧を下げる炭素を加えた触媒を使用した。触媒に貴金属などを使わず、可視光で反応が進むため低コスト。

リン酸を含む過酸化水素水を貯蔵・輸送し、必要な段階で触媒を加えれば水素を得られる。

日刊工業新聞2020年7月8日

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