上水から下水まで!クボタが新体制で受注拡大を目指す

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水施設監視などのサービスを含めた総合力が強み(クボタ提供)

クボタが水環境事業で、上水から下水までグループ会社を含めて製品・技術・サービスを総合的に提供できる体制を敷いている。相次ぐ豪雨災害や新型コロナウイルス感染症の拡大などを受け、ライフラインとしての水確保の重要性があらためて問われている。経年化した浄水場やポンプ場など水処理施設で施設・設備の更新、新設に伴うインフラ整備や運転管理などで受注拡大を目指す。

市場環境が変化

クボタは1月に水環境事業本部の体制を変更。水ソリューション部と管路ソリューション部を統合し、「水環境ソリューション開発部」を立ち上げた。背景には公共事業を取り巻く市場環境の変化がある。地方自治体では財政難や人材不足に伴い官で取り組んでいた仕事を民間に移行する流れが加速している。

こうした傾向について、同部の牧野義史部長は「水関係の分野に関して、この5年ぐらいは特に実感する」と話す。

北尾裕一社長による今期初めの経営方針も踏まえ、牧野部長は「今まではメーカーだから製品中心に動いていたが、トータルソリューション提供への事業転換を推進していきたい。それが部として我々の目的でもある」と強調する。

市場の伸長時は受け身でいても仕事が舞い込むが「今後はこちらからお客さまの課題を聞きに行き、補修など解決策を提案する事業創出が必要だ。対人交渉は信頼関係で成り立つ。(担当者が)水でトータル的な提案ができるようにする」(牧野部長)と意気込む。

自治体側も歓迎

水関連施設で自治体からは設計・建設・運営を民間委託するDBO方式で受注する。同部は施設系、パイプ系の部署が統合して発足した新組織であることを、一部の自治体に説明した。「会社の話だからあまり興味を持たれないのかと思っていたが、実は違った」(同)と打ち明ける。

水質分析なども水環境事業では欠かせない(クボタ提供)

同社は水関連に関して施設にまつわる管路、ポンプ、バルブなど幅広い分野の製品・技術を持ち合わせる。ただ、自治体側からは“縦割り組織”が力を発揮しにくいと見られていた。このため自治体側から「『ずっとそうした方がよいと思っていたよ』と声を掛けられた」(同)。自治体側も時流をくんだ同社の取り組みには歓迎モードだ。

豊富な“経験値”

入札は実績が問われる側面もあり“経験値”が豊富であれば参加もしやすくなる。施設のロケーションに合った最適なデザイン、補修、運営管理のサービスに至るまでグループ会社を含めた提案で、自社で培ってきたノウハウを総合的に発揮できる体制になった。

受注後は外部企業を含めた共同企業体(JV)を形成し水施設完成に向けて取り組む。同社は代表企業を務めるケースが多くなるがJV全体に目配りしつつ、高いレベルでまとめ上げる力が備わった。

牧野部長は「迅速な災害時の対応を含めて“ワンチーム”で臨める体制を構築する」と話す。同部が一丸となって受注拡大という“トライ”を目指す。(大阪編集委員・林武志)

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