LIXILがトイレ普及でユニセフに協力するワケ

SDGs達成に貢献

  • 0
  • 0
会見する瀬戸欣哉LIXIL社長(右)とシャネル・ホールユニセフ事務局次長
 LIXILは26日、途上国へのトイレの普及に向けて国連児童基金(ユニセフ)と協力関係を結んだと発表した。ユニセフがトイレの普及に力を入れるように途上国政府に啓発し、LIXILが低価格なトイレを提案する。LIXILは事業を通して「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標6「水の衛生」達成に貢献する。

 ユニセフは子どもたちの健康のためにトイレを普及させたい、LIXILは途上国にもトイレのマーケットを創出し、衛生改善に貢献したい-という両者の思いが一致し、パートナーシップが結ばれた。2者はエチオピア、タンザニア、ケニアの3カ国で取り組みを始める。

 世界では23億人が安全で衛生的なトイレを使えない状況という。野外排せつは水質を悪化させ、不衛生な水が原因となった下痢などで1日800人の子どもが死亡している。LIXILは啓発をユニセフに頼れる。瀬戸欣哉社長は「トイレが必要と私企業が訴えても限界がある。ユニセフにお願いできる」と期待を示した。

 【水処理の動向】
 「水の衛生」を掲げるSDGsの目標6は、海水から真水を作る海水淡水化、水を浄化して繰り返し使う排水再利用など高度な技術の活用を求めている。水処理は日本の得意技術であり、市場獲得の機会だ。

 水の汚れを除去する水処理膜の世界大手の東レは6月末、オリックス、中国水務集団(香港)と提携の協議書を結んだ。中国の上水施設に東レ製水処理膜を導入し、家庭用浄水器の販売でも協力する。中国では水道水を加熱してから飲む習慣がある。東レの技術を使い、高品質な水を届けることで中国に「水道の水を直接、飲む文化」を浸透させる。

 クボタは家庭に水を届ける鉄管を製造し、日本で水安定供給に貢献してきた。その実績を買われ、ミャンマーやバングラデシュで送水や管路敷設工事を連続受注した。

 海外進出が進んでいるようだが、日本企業は世界で存在感を示せていない。経済産業省の2017年の報告書によると15年の水処理関連の世界市場は83兆円。日本勢のシェアは低く、中国・東南アジアでも数%。高コストがネックとなっているためだ。SDGsの潮流に乗り、課題を解決できる技術力を認めてもらえればシェアを拡大できる。
                  

日刊工業新聞2018年7月27日

COMMENT

松木喬
編集局第二産業部
編集委員

国連機関と日本企業のパートナーシップです。ユニセフがLIXIL製品を相手国に紹介するようなスキームではありません。ユニセフはトイレの重要さを相手国政府に伝えるのが役割ですが、LIXILには強力な援軍となるのでは。リーチできる市場が増えるのではないでしょうか。日本企業も社会課題解決をビジネスにする戦略が磨かれてきたと思います。

関連する記事はこちら

特集