【新型コロナ】AMEDの新理事長は前東工大学長、国産ワクチン支援に全力

三島良直氏インタビュー

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日本医療研究開発機構公式サイトより

未知のウイルスに備え

前東京工業大学学長の三島良直氏が4月、日本医療研究開発機構(AMED)の理事長に就任した。AMEDは医療分野の研究費配分機関(ファンディングエージェンシー)として2015年発足。医療研究の司令塔トップとして、新型コロナウイルス感染症への対応でも指揮をとる。医学が専門ではないながら、AMED第2期計画(20―24年度)のかじ取りを任された新理事長の三島氏に、新型コロナへの取り組みや、わが国の医療分野の競争力強化などについて聞いた。

―新型コロナにどう立ち向かいますか。

検査機器や治療薬、ワクチンに関する研究開発テーマのうち、優れたテーマを採択して国の予算をどれだけ迅速かつ確実に配分できるかに全力を尽くしている。特に海外の薬はさまざまな要素が絡むため、現状では治療薬とワクチンは国内生産が望ましい。これを支援する。

―世界的に感染が拡大する中では、海外の研究開発機関との連携も重要です。

新型コロナに関しては、データの共有や各国の戦略をテレビ会議などを通じて互いに出し合って意見交換しているところだ。新型コロナを含め、海外機関との連携はもっと活発にしたい。

―感染症全般に対する基盤整備についてはどう進めますか。

今回の新型コロナだけでなく、これからも来るであろう未知のウイルスに対しても備えなければならない。そのために感染症に対する日本の医療制度や医療機関のあり方を4月からの第2期中に考える必要がある。米国の疾病管理予防センター(CDC)のような大規模な組織を日本にも作ることはあり得るだろう。

―自身の専門は医学ではなく材料工学です。なぜ政府から理事長を託されたのですか。

理由は聞いていないが、医療関係者以外がトップになる良さを発揮してほしいということだと感じている。日本の健康・医療分野が世界と比べて競争力あるものにするには、研究開発が医学や薬学にとどまらず、理学、工学、情報学、心理学、行動人間学など幅広い視野で総合的に進めることが重要だ。
 東工大学長として6年間、大学の教育・研究力を世界トップレベルに持ち上げるために組織改革を断行した。教員には分野横断的な研究を根気良く求めた。組織運営にはコミュニケーションが必要で、スムーズな意見交換がカギとなる。

記者の目/手腕、早速問われる

AMEDの20年度の当初予算は約1270億円。ここに補正予算約1030億円が新型コロナ対策として追加されるなど、就任早々新型コロナへの対策が喫緊の課題としてのしかかる。こうした予算をどう有効に活用していくのか。医療分野は門外漢だが、学長として東工大を世界トップクラスに引き上げた手腕は確か。医療分野でも海外との競争が激しくなる中、その手腕が早速問われる。(山谷逸平)

三島良直氏

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