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プラスチック成形工程で原料の異常を即時に検知、クボタが装置 

プラスチック成形工程で原料の異常を即時に検知、クボタが装置 

ストランド異常検出装置の画面イメージ(クボタ提供)

クボタは、プラスチック成形工程で用いる2軸押出成形機から出るそうめん状のプラ原料(ストランド)の監視装置を発売した。原料の温度異常や切断の状況をリアルタイムで検知する。従来は現場の巡回や監視カメラ映像の目視などが必要だった。同監視装置を使うことで人手による確認を減らせると同時に、異常時の復旧作業を素早くできる。新型コロナウイルス感染症対策としての、工場の配置人員削減にも貢献する。

発売したのは「ストランド異常検出装置」。プラ生産ラインに後付け可能な汎用の赤外線カメラでストランドを監視し、温度異常や切断、融着などを独自開発したソフトウエアのアルゴリズムで検出する。

検知した異常データは、クボタが2018年に発売したプラ生産ライン全体を把握するシステムにも送信可能でオペレーターに通知される。

装置単体の価格は仕様により異なるが、参考価格は350万円(消費税抜き)から。すでに大手エンジニアリングプラスチックメーカーに初号機を納入した。コンパウンドライン監視システムとセットで年50セットの販売を目指す。

原料を練り、混合するなどして高機能プラ材料を生産するコンパウンド工場のラインでは、押出機から出るストランドが200―300度Cの高温になる。このストランドを造粒機で適正な大きさに細かく切断し、粒状のペレットにする。

ストランドは一度に40本程度押し出される。その際、造粒機に入れる前に切れてしまったり、隣接する数本がくっついたりする場合があり、歩留まり低下の要因となる。

ストランド異常検出装置はライン全体監視の中でも、有人監視が不可欠だった一部の場所をカバーできる。クボタは2軸押出成形機に原料を供給する「重量式フィーダ」と呼ばれる装置で、国内首位の60%のシェア(同社推定)を握る。

日刊工業新聞2020年7月3日

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