ドコモの「d払い」ついに海外へ!中国・米国での需要を見込む
NTTドコモは2020年度中にもスマートフォンを活用した2次元コード(QRコード)決済「d払い」の海外展開を始める見通しを明らかにした。中国や米国が候補とみられる。足元では新型コロナウイルス感染症の影響で海外へ渡航する日本人は大きく減少しているが、中長期的には回復が見込めると判断した。d払いの海外展開が実現すれば、国内携帯通信大手のコード決済では初めてとなる可能性がある。
現在、海外ではd払いを使える店舗は一つもない。ドコモは日本人の海外渡航が多い国や、ポイントプログラム「dポイント」の加盟店がある国などをd払いの展開先として検討する。例えばコード決済が根付いている中国での需要を見込む。5月末時点でdポイント加盟店が105ある米国も選択肢に入れているもようだ。
従来ドコモは、d払いとdポイントの相乗効果を追求してきた。日本ではd払いを使うと、利用代金に応じてdポイントがたまる。キャッシュレス化を推進する機運も追い風となり、19年度末時点でd払い利用者数は18年度末比2倍の2526万人に伸びた。
ドコモは、消費者が日ごろ使っている決済手段をそのまま海外で使いたい需要は大きいとみる。一方、日本人が海外渡航時に活用してきたキャッシュレス決済はクレジットカードが多いとも認識している。米国についてはコード決済の普及率が低いと考えられており、d払いの海外展開では認知度向上が課題となりそうだ。
国内携帯通信大手のコード決済は、KDDIの「auペイ」、ソフトバンク系の「ペイペイ」のいずれも、現在、海外の店舗では利用できない。