再び悪手に動き出した韓国、「敵視するものは敵視される」

対北朝鮮、本来は日韓の信頼関係が不可欠なのに…

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「WTO提訴」や「「徴用工」で日本を揺さぶり続ける文在寅政権(18年5月の日韓首脳会談=首相官邸公式ページより)

小康状態にあった日韓関係が再び悪化に向かっている。日本政府は原則を守った上で、破局を避けるよう努めてほしい。

日本政府が半導体材料など軍事転用可能な物品の貿易管理の厳格化措置を続けることに、韓国政府が不満を募らせている。韓国は対抗措置として、世界貿易機関(WTO)に提訴する手続きを再開する意向を示した。

ただ、これは韓国にとっては悪手だろう。韓国は日本の要求に従って貿易管理体制を整備したとする。日本はその実効性を総合的に確認する方針で、一定の時間を必要としていた。しかしWTO提訴となれば結論が出るまで数年間を要する上、日本側の姿勢も硬化しかねない。

韓国はこれまで通商政策については柔軟に対処してきたが、この問題では実利より名分を重んじたといえる。韓国内には日韓間の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を再び訴える声もある。冷静さを欠いた議論と言わざるを得ない。

日本側の措置について、戦時中の「徴用工」問題を韓国政府が自主的に解決するよう促す狙いがあるという指摘もあるが、貿易管理はあくまで通商・安全保障上の施策である。

懸念されるのは、韓国側に「徴用工」裁判で不当に差し押さえた日本企業の資産を売却する動きが強まっていることだ。日本政府は再三にわたり、売却が日韓関係に多大な影響が出ることを韓国に警告している。韓国の不当な判決で日本企業に被害が及ぶのは許されない。万一の場合、日本は報復措置をとることになろう。韓国側の努力が望まれる。

日韓関係は貿易や人的交流だけでなく、東アジア全体の安全保障にかかわる重要な問題である。北朝鮮がこのところ韓国を敵視する言動を繰り返し、米中間の覇権争いも深刻化するなかで、日韓の協調体制はより重みを増している。

そのためにも日本が指摘した貿易管理体制の整備を、韓国側が着実に進めることが大前提となる。日本政府も韓国に丁寧に説明し、理解を得る努力をしてもらいたい。

日刊工業新聞2020年6月17日

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