きっかけは伊勢湾台風、感染症と闘う大幸薬品のCSR

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中国・武漢市の医療機関をはじめ、国内の病院や地方自治体にクレベリンを寄贈

大幸薬品は胃腸薬「正露丸」、二酸化塩素でウイルスや菌を除去する「クレベリン」を手がける。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、病院や地方自治体の衛生対策にクレベリンを寄贈した。感染症予防や衛生管理で社会から必要とされる企業を目指す。柴田高社長に方針を聞いた。(大阪・中野恵美子)

―新型コロナを受けて感染症対策は待ったなしとなりました。

「感染症と闘う企業として有事に強い会社を目指している。今回のパンデミック(世界的大流行)でクレベリンの需要が高まった。製造する京都工場(京都府精華町)では2交代制を採用し、生産能力を従来比で3倍に高めた。中国・武漢市や本社を置く大阪府をはじめ、必要とする各地の医療機関にクレベリンを寄付してきた」

―社会貢献活動を始めたきっかけは。

「(1959年に発生した)伊勢湾台風にさかのぼる。災害時には感染症が流行しやすく、下痢に有効な正露丸を被災者に寄付した。その後、東日本大震災でクレベリンを80トン寄付するなど国内外での自然災害や新興感染症対策に併せて寄付活動を展開してきた。当社製品を理解してもらうきっかけにもなる」

―創業の地である大阪府吹田市とのつながりも深いです。

「兄の柴田仁会長は吹田市の商工会議所会頭を務めており、産業活性化への貢献が求められる。現在も正露丸の工場や研究開発拠点を構えており、従業員68人が勤務している。ただ近年、周辺には住宅地が広がり、設備増強が難しくなった。21年には正露丸の生産を京都工場に移管する。それでもチャンスを得ながら市内の小学校へのクレベリン寄付活動などを継続したい」

―衛生管理への関心はさらに高まると予想されます。

「衛生意識についてのレベルが上がってきた。これまでは母親に言われて手洗いするという感覚だったが、アフターコロナでは自分の身は自分で守るという予防意識に変わる。感染症対策市場が拡大する一方で、非常時に正露丸やクレベリンを寄付するなど、身の丈に合った社会貢献を続けていく」

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