新型コロナ対策で欠品相次ぐ「クレベリン」、サブスク販売へ
大幸薬品はウイルスや菌を二酸化塩素で除去する「クレベリン」の業務用製品について、年内にサブスクリプション(定額制)販売を始める。現段階で価格は未定。新型コロナウイルスに対する効果は確認されていないが、除菌商品の需要が増加している。従来のドラッグストアを中心とした販売手法を広げて安定供給を実現する。国内における業務用クレベリンの初年度売上高は、2019年度比2倍の約37億円まで伸ばす。
業務用クレベリンは、大規模施設向けの大型機や、置き型容器に差し込むスティックタイプ、デンソーと共同開発した車両用装置・カートリッジなどを展開する。定額販売を導入することで、リピート率が高い業務用クレベリンを適正価格で安定的に供給する。
京都工場(京都府精華町)が生産する。新型コロナの影響でドラッグストアにおける欠品が相次ぎ、増産を急ピッチで進めてきた。2交代制を採用し、クレベリンの生産能力を従来比約3倍に高めた。今後の状況を見ながら生産ラインの増設などを検討する。
クレベリンは二酸化塩素を発生し、空中に浮遊したり物体に付着したりするウイルスや菌を除去する。衛生意識の高まりにより法人や消費者から需要が増加した。新型コロナの影響で消費者の衛生意識が高まっている。
大幸薬品はクレベリンが大幅に伸び、20年3月期の売上高は前年同期比43%増の149億円、営業利益は同88%増の38億円。いずれも過去最高だった。
日刊工業新聞2020年6月2日