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「地域の発展なくして自行の発展なし」西日本シティ銀行の“三方よしCSR”

「地域の発展なくして自行の発展なし」西日本シティ銀行の“三方よしCSR”

「プロムナードコンサート」を本店エントランスホールで毎月実施

西日本シティ銀行は文化事業を通じた地域貢献に力を入れている。2004年の2行合併から15年たち、前身行の取り組みを引き継ぎつつ、時代に合わせて進化させてきた。国連の持続可能な開発目標(SDGs)もキーワードに、本業の地域金融とともに地元振興を進める。小湊真美広報文化部長に聞いた。(西部・三苫能徳)

―部署名に「文化」を掲げています。
「『広報文化部』という名称は全国の地銀でも珍しい。地域の歴史文化への貢献を明確にするため創設した」

―多くの文化事業を進めています。
「合併前から西日本、福岡シティの旧2行が積極的に取り組んでいた内容を現在は財団に事業を引き継ぎ続けている。西日本国際財団で人物交流や国際化啓発など、福岡文化財団では音楽や地域伝統文化などの各関連事業を主催している」

―具体的には。
「『博多どんたく』などの祭りへの参加、音楽祭、神楽・神舞の鑑賞会などがある。本店エントランスホールでの『プロムナードコンサート』は1986年から毎月開催。400回を機にリニューアルし、多様な若い音楽家を紹介している」

―歴史ある活動が目立ちます。
「『博多に強くなろう』という地元文化を紹介する冊子は79年に福岡相互銀行(後の福岡シティ銀)が創刊。純粋に文化発信を目的とする。2018年に『北九州に―』を含めシリーズ100号を越えて書籍にまとめた」

―地域に向けて力を入れる背景は。
「前身行からの経営者の思いに加え、谷川浩道頭取の『地域の発展なくして自行の発展なし』との考えがある。4月からの中期経営計画でも地域中心の施策を掲げた。SDGsと絡めた事業も積極化。自行と取引先、地域との“三方よし”の持続可能な関係性が必要で、文化面だけでなく私募債など地域金融を通じても進めている」

―親会社の持ち株会社が「SDGs推進室」も設けました。
「統括部署の明確化とともに、グループとしてSDGsを推進するためだ。当行としても引き続き、SDGsを推進していく」

日刊工業新聞2020年5月14日

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