SOFC搭載ドローン開発!上空発電で長時間飛行を実現
30キログラムの運搬能力も
プロドローン(名古屋市天白区、河野雅一社長、052・890・8800)、アツミテック(浜松市中区、鈴木秀幸社長、053・438・6711)、産業技術総合研究所は、固体酸化型燃料電池(SOFC)を搭載した無人飛行ロボット(ドローン)を開発した。飛行試験を実施し、リチウムイオン電池だけを搭載した場合の2倍以上となる1時間以上の飛行・作業ができる見通しを得た。物流やインフラ点検、災害対応などで貢献が期待される。
開発したドローンは30キログラムの運搬能力を持つ。上空で発電できるシステムを利用し、発電した電力をドローンに供給することで飛行時間を長くできた。またドローンの使用電力が大きい場合にはSOFCとリチウムイオン電池からドローンへ、使用電力が小さい場合にはSOFCから充電のためリチウムイオン電池に電力が供給される仕組み。
さらにSOFCの電極内部に、液化石油ガス(LPG)を水素や一酸化炭素に安定的に変えられる技術を組み込んだ。市販のLPGカセットボンベを燃料として使えるため、水素インフラがない地域でも使える。
研究グループは、発電した電気を集める部材を改良し、電極面積当たりの出力密度を倍増。また複数のセルの接続に必要な電池用絶縁材(セパレーター)の形状を工夫して軽量化し、出力当たりの重量を従来と比べ60%低減できた。
燃料電池の高出力化や軽量化で、従来より長時間飛行できるドローンの開発につなげた。
日刊工業新聞2020年6月16日